リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

side 睦斗


優凛に会いたい。

優凛に触れたい。

その声を聞かせて、その瞳で俺を見てくれ。

それだけでいいんだ。

お願いだから、孤独に逃げるな。

お前は独りじゃない。

俺は絶対、お前から逃げたりしないから。


「……ここか」


ほんの5分がこれほど長いと感じたことはない。

優凛のスマホのGPSから追跡し、元白夜のたまり場だった場所にたどり着いた。

解散後人気のなかった空き倉庫には、無数の人影が集まっていた。


「おいおい……なんて数だよ」

「くそっ!簡単には渡さねえってか!?」


桜汰と璃輝が目の前を愕然と見る。

そこには──100を超える男の集団。

待ち構えていたかのように、奴らは各々で武器を片手に笑っていた。


「わざわざ集めやがったのか!なんでこんな時に!」

「落ち着け悠……分かってる」


悠がバイクに乗った状態で憤りを露にする。

颯一がそれをなだめるも、表情は険しいままだった。


「睦斗、どうする」


那智が眉を寄せて俺の隣に。

俺はその目を見て迷わず告げた。


「……何がなんでも優凛を助ける。こいつらを蹴散らせ」


言い切ってバイクから下り、駆け出した。

同時にかけ出す雷神たち。その数、わずか60弱。

迎え撃つは100を超える群衆。

けど、負けるわけねえ。

守るべきものがそこにあるから。


「優凛!」


渾身の力で叫び、敵の懐へ突き進んだ。