ふらふら、ゆらゆら、視界が揺れる。

ふらふら、ゆらゆら、私も揺れる。


達綺に合わせる顔がなくて家を飛び出した。

ただ1人になりたくて、お母さんが静かに眠る墓地を目指していた。


「……お前、もしかして」

「間違いねえ、安西優凛だ!」


そんな時、男が2人私の前に立ちはだかる。

誰も見覚えがない――


「あ?なんだその顔。白夜を潰しといて忘れたなんてとぼけたこと言うんじゃねえぞ!?」

「てめえのせいで流威さんは……!」


わけではないらしい。

金髪男と顔にたくさんピアスをつけた男。

なんとなく覚えてる。

雷神が潰した白夜の一員だ。


「てめえのせいで白夜は解散した!てめえのせいで俺達はバラバラになったんだよ!」

「お前さえいなければ今頃――っておい!話の途中で逃げ出すんじゃねえ!」


いきなり囲まれ罵られたから気分が悪くなって逃げようとした。


「逃げるんじゃねえ!ここで会ったが運の尽きだ。てめえを餌にしてやるよ、安西優凛」


意地汚く笑う男にゾッとして全力で逃げ出す。

あの時は龍生がいてくれたから良かったけど今回は味方なんて誰もいない。



吐き気を伴う頭痛がする。

また何か思い出してしまう。

お願いだから私を放っておいて。



『……ねえ、安西さん。あんた何様のつもり?』



ほら――最低な記憶を思い出す、カウントダウンが始まった。