リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「蓄積したストレスを貯め込み、それを他の場面で発散させる。
それが優凛の今の性格を作った。

歌を歌うことや、護身術、格闘技などに長けていて、何かの専門知識がずば抜けて豊富なこともそのせいと言える。

不安も悲しみも押し潰して、何かに熱中することで深層心理を隠した。
真意を読み取れないような言動を取ることで、人と関わることから逃げた」



知らなかった。

優凛が闇を抱え込んでいるなど、いつもの素振りからはみじんも感じなかった。

なぜ分からなかった?

俺はあいつの一番そばにいるのに。


「それでも補いきれない深刻な状況に陥った場合。
優凛は……壊れる」

「……壊れる?」

「2年前のことだ。優凛は中学でいじめを受けていた。
その内容は執拗でひどいものだった。
何を考えているか分からないと気味悪がられ、クラスでは孤立していたらしい。
当時、あの子の味方は誰もいなかった」


いじめ?孤立?

龍綺からも聞いたが、そんなに悲惨なものだったのか。

だが、優凛の口からそんなことなんて──


「それでも平気でいられたのは、優凛が記憶ごと感情を消去するからだ。
悲しみを感じる前にメモリーをリセットしてしまう」


聞いてない、じゃない。

優凛は覚えてないのか。

確かに身に覚えはある。

不安を感じると鋭い頭痛がしてそれ以上考えられなくなる、と。

あいつはずっとそうやって生きてきたのか?