龍さんは座り直し、腕を組んだ。
虚無に満ちた眼差しは、やり場なく天井へと注がれている。
「その時まで俺も、優凛の家族も誰もかも、優凛の身に起こっている重大な欠陥に気がついていなかった」
龍さんは半ば目を伏せて、低い声で語り始めた。
「お前らも聞いたろう?あの子には喜怒哀楽の『哀』の部分が抜け落ちていると」
「……はい」
「悲しみを失った優凛は、他の感情で置き換えて自分を保ってきた。負の感情も何もかも、小さな体に詰め込んで。
……それが自らを壊す行為だと知らず」
「どういうことですか……?」
確かに優凛はいつでも笑っていた。
ただ、これまで一度たりともあいつが泣いたのを見たことがない。
それも優凛の過去に関連しているのか……。
虚無に満ちた眼差しは、やり場なく天井へと注がれている。
「その時まで俺も、優凛の家族も誰もかも、優凛の身に起こっている重大な欠陥に気がついていなかった」
龍さんは半ば目を伏せて、低い声で語り始めた。
「お前らも聞いたろう?あの子には喜怒哀楽の『哀』の部分が抜け落ちていると」
「……はい」
「悲しみを失った優凛は、他の感情で置き換えて自分を保ってきた。負の感情も何もかも、小さな体に詰め込んで。
……それが自らを壊す行為だと知らず」
「どういうことですか……?」
確かに優凛はいつでも笑っていた。
ただ、これまで一度たりともあいつが泣いたのを見たことがない。
それも優凛の過去に関連しているのか……。



