リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

side 睦斗


翌日、龍さんに召集をかけられ、アジト内に雷神幹部が集まっていた。

その場に優凛はいなかった。


「……会いに行かないのか?」

「……雷さんに来るなと言われた」


颯一に尋ねられ、昨日の出来事を思い出す。

青白い頬に何も映していない瞳。

知らない優凛がそこにいた。


「ふーん、睦斗らしくねえな」

「あ?」

「お前だったら誰の反対押しきっても優凛ちゃんに会いに行くと思ってたけど……。
睦斗って優凛ちゃんバカだもんね~」

「違う。そうじゃない」


こんな場面でも軽い態度の桜汰に対し、俺は低く唸るように答えた。

それは自分に対しての怒りだった。


「俺は優凛に対して知らないことが多すぎる」


あの表情の意味。優凛の過去。

それから――


「……記憶が改ざんされてるって、どういうことですか?」


俺は向かい合わせに座っていた龍さんを見て、引っかかっていた疑問を口にした。

達綺が泣きながら語ってくれた優凛の秘密。


「教えてください龍さん。優凛の過去に何があったんですか?」


尋ねるも、続くは沈黙のみ。

静かな空間で、龍さんは俺の目をじっと見ている。

周りには固唾を飲んで見守る幹部たち。


「……お前たちに覚悟はあるのか」


重い口を開き、龍さんは釘を刺すように言葉を突きつけた。


「優凛の過去を受け止めて、それでも優凛と変わらず向き合うことのできる、覚悟はあるのか」


高圧的な眼差しに、いささか畏怖を覚える。

けれどそんなことは関係ない。


「それができねえのなら優凛から手を引け。
今後一切関わるな、むしろ優凛を傷つける可能性がある」


今はただ――