リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ああ、優凛来てたのか」


そこに、お父さんがやってくる。

部屋に入ってきた私と達綺を交互に見て、何事かと眉をひそめた。

達綺はそれに気づかなくて、早口に私に言葉を突き立てた。


「ずっと足が痛くてさ、でも、ガンって痛くないんだって。じゃあこの足はなんだ?」


怖い。頭が割れそうに痛い。


「達、綺……やめ、てよ……」

「優凛どうした?おい、達綺落ち着け…」

「悪性腫瘍?骨肉腫?どっちにしろ俺ってこのまま死ぬのかな――」

「達綺!」


ビリビリと室内に響くお父さんの声。

驚いて肩が跳ねる達綺。




「そっか……そうだったね」


途切れる頭痛。

脳裏に浮かぶのはお母さんに関する記憶。


「優凛?」

「あ……姉ちゃん……」


ああ、あんなにつらい記憶なのに、なんで忘れてたのかな?