リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「なあ姉ちゃん。知ってるか?俺のこの左足が爆弾抱えてるかもしれないって」


頭痛が始まる。

触れてはいけないことに触れ始めてる。


「レントゲン撮って写ってたんだよ、腫瘍が。
まだ良性か悪性か分かんないって」


腫瘍ってなんだっけ?

お母さんの左足……黒い影……やめて。

これ以上考えさせないで。



「俺………死ぬかも」

「え……?」


死ぬ。その言葉が遠い何かを引き起こす。

あの日。どしゃ降りのあの日。

どうして忘れてしまったのか。

ついに記憶の扉が開く音がした。

それは同時に、私が私でなくなるとき。


『あなたのそばにいるから』


お母さん。

どうしてそんな嘘をついたの?


『心配しないで。お母さんはすぐ良くなるから』


真っ白な病室で真っ白な病院服を着て、お母さんは言ったね。

あれも全部嘘だったんだ。

お母さん……私はあれ以来、真っ白なこの病院が嫌いになったよ。

もう嫌、これ以上思い出したくない。