リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「私の名前、ですか?」


とりあえず総長さんが怖くて仕方ないので、質問に答える雰囲気で喋った。

答えるつもりなど毛頭ないがな!


「じゃあ……総長さんの名前、教えてくれたら言います」

「あ?」


なぜかガンを飛ばされた。なんで?総長って呼んだだけじゃん!

キャッチボール出来ないし、何言っても怒るし、一体どう対応したらいいのさ!


「おいブス!てめえが勝手に総長なんて気安く呼ぶんじゃねえよ」


私の発言が気に障ったのか、サルが真っ向から怒鳴って来た。

なんだと?お前もいい加減ブスって呼ぶんじゃないよ。


「ハハッ、お前って総長のクセに“総長”って呼ばれんの好きじゃないだよな」


サルを睨みつけてたら、大きな影がひとつ動いた。

長身チャラ男のオウタさんが、総長さんに肩を回した。


「だろ?睦斗(りくと)


……リクト?オウタさんは総長さんの顔を見てはっきりと発音した。

リクト、それが彼の名前なのかな。


「桜汰!何かに付けて睦斗に絡むんじゃねえ。
てめえが側にいるとタラシがうつる!」

「そういうお前も、俺のこと呼び捨てにすんなよ。
お前らの中で一番上なんだからさ。“桜汰さん”だろ?なんだったら“桜汰様”でもいいけど?」

「はぁ?うざ、お前一発殴らせろ」


ふと気がつくとチャラ男のオウタさんと、硬派なヤンキーのリキさんが険悪な雰囲気になってる。

見たところ、この2人は仲が悪いらしい。

喧嘩をおっ始めようとしているぞ?


「璃輝、いくら喧嘩好きだからって仲間内で喧嘩始めようとすんな」

「えー?けどよぉ睦斗、挑発してきたのはこいつだぜ?」

「は?アホ」


そんな中、アホ、の一言で璃輝さんを止める(つわもの)がいた。


「桜汰……」

「ごめんって睦斗~。もうしません」