リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

『達綺が倒れた。今病院にいる』

それは何を意味するのか。

真っ白になりつつある頭を動かして、あの日の達綺の行動を思い出した。


雷神のアジトに来た日。

あの日から達綺は、しょっちゅうある部分を気にするようになっていた。


……膝。左足の、関節部分。

私には強がって見せないけど、知ってる。

時折痛みに顔を歪めること。

嫌な予感がしてたんだ。

胸騒ぎが止まなかったんだ。


左足の関節部分は“お母さんと一緒”だから。


……え?何が同じなの?

記憶が私を置いていく。

嫌だ、思い出したくない。


―♪~♪~


感じ始めた頭痛。

頭に響くケータイの着信音。

誰?そう思って見ると――


「睦斗……」


名前を見た瞬間電話を応答した私は、一言だけ呟いた。


「睦斗、今日はみんなに会えない」

『会えない?なんでだ』

「病院に行かなきゃ、達綺が……」

『達綺?』

「……もう切るね。急がないと」

『おいっ、待て優凛!』


プツっと切った電話。

あとに続く通話終了の音も聞かず、おぼつかない足取りで達綺がいる病院に――真っ白な悪夢が浮かぶ場所へと向かった。