沈黙が深まる。

そんな中は私は、凛として2人の顔を見つめていた。


「え……」

「じゃあ……」

「でも、雷神との関係は絶ちません」

「は?」

「これまで通り、みんなと一緒にいます」


私の発言に、2人はキョトーン。

そうだよね。そうだけど、聞いてほしい。


「何度も考えて、何度も悩んで、この答えに行き着きました。
彼らが……雷神がいてこその私があるって。
雷神がいるから今の私があるんだって」


理解不能な様子で口を開いていた2人だったけど、次第に真剣な表情へと変わる。


「それが私の答えです。
歌手になったとしても、私は私らしく有り続けたい」


そう、ずっと前から答えはひとつだった。

みんなと一緒にいたい。

その願いを、自らが曲げる必要なんてなかったんだ。

体裁なんて気にせず、私は意思を伝えるんだ。

後は彼らがどう思うのか。それだけ。


「……分かりました」


すると黒川さんは、口元に笑みを含んで大きく頷いた。


「……やっぱり、あなたをスカウトして良かった。間違いじゃなかった」

「え…?」


黒川さんは微笑むと、私と視線を絡まながら口を開いた。