「まあ、余談はいいとして……今日はとりあえず楽しめ。お前の姉ちゃんの誕生日だから」

「うん」

「じゃあ、自由に楽しめ。ただし、後片付けは自分たちな。
あと、達綺に酒勧めんじゃねえぞ!」


龍ちゃんは睦斗に向かい指示を出した。


「よっしゃ、祝うぜてめえら!」

「景気づけだー!」


それを待ってましたと言わんばかりに雷神達が暴れ出す。

……出た、毎回恒例のどんちゃん騒ぎ。

けど嫌いじゃないんだよね。

たくさんの人と笑い合って、語り合って、ダラダラ過ごすの。


「優凛、お前はここな」

「うん、そっちね」


皮の黒いソファ。そこが私の場所らしい。


「誕生日おめでとう」

「ふふ、何回目?ありがとう」

「来年もその先も、俺が一緒に優凛の誕生日祝うから」

「……うん!」


……鳥肌立った。

睦斗って、さらっとこういうこと言うんだよね。

そっか、もう睦斗と出会って半年経つんだ。

色々あってたくさん感じてきたことがあるけど、今感じたことがひとつ。

大切な人達に囲まれて、お互いが想い合って──

ああ、幸せってこのことなんだって、分かった気がする。


ねえ、みんな。

これからもずっと、大好きだよ。