「おー、達綺!久しぶりだなお前」

「うん、久しぶり。龍兄も来てくれたんだ」

「当たり前だろ。優凛の誕生日だぞ!?」


達綺は龍ちゃんが話しかけてきても左足から手を放さなかった。

そういえば最近、膝の辺りを気にかけてたかも……。


「やべえ、あいつ龍さんにタメ口だ」

「弟やべえ」

「やっぱりあいつが12代目の器なんや!」


ん?こそこそ話してるのは、璃輝さんと悠と龍生。

達綺が12代目ってどーゆーことだ!

確かにお父さんの血を引いてるけど、たぶん達綺はそっち系には行かないよ。

筋金入りのバスケ馬鹿だからさ。


「そういやお前、でっかくなったって聞いたぞ。ちょっと立ってみろ!」

「いや、まだまだ。180もねえし」


どこがまだまだなんだ。

中2で177cmってミラクルでしょ!

立ちあがった達綺は龍ちゃんと比べて「やっぱ小せえな……」と呟いた。

おい、あんたは何を目指してるんだ。

190㎝もある龍ちゃんに届かなくて当然でしょうが。


「いや、でかくなったなー……ちょっと前まで俺の半分もなかったのに」

「いや、それは言いすぎ」


そのやり取りを、影で話し合う3人。


「龍さんと対等に話してるなんて……」

「もはや尊敬すら覚える……」

「さすが雷さんの息子だな」


桜汰先輩、颯先輩、睦斗。

この3人をうならせるなんてよっぽどだよ達綺!