リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「くっ、う……」


そう思っていたら、笑いを堪えたような声が聞こえた。

……そんなにひどかったのか。


「……璃輝?」

「っ……クソ」


と、思いきや目をごしごしと拭うリキさん。


「なっ!璃輝さん泣いてるんすか!?」

「うるせえぇ……!」


彼は必死に否定するも、声は震えてるし、鼻をすする音だってする。

その仕草、やっぱり泣いてるの!?

特にリキさんは怖い顔してるから、血も涙もない鬼畜野郎だと思ってたのに。


「うっ……なんだよこいつ、歌上手すぎだろ。
本家より胸に響くじゃねえか、ふざけてんのかクソ……」


途切れ途切れに称賛(?)して、泣き続けるリキさん。

感動して涙が流れたケースですか?


「なんで、こんな時に失恋ソングなんか…」


あ、分かった。この人最近失恋したんだ。


「クソ、とまんねえっ。どうしてくれんだよ」


でも、涙が流れたのは私のせいじゃないぞ。

リキさんが勝手に泣き出したんだからね?


「確かに、すげぇな。初めて人の歌声に圧倒されたよ」

「……うん」


空気が和んだのか、オウタさんに笑顔がもどって、なんと赤髪のサルが認めてくれた。

どういう風の吹き回し?なんだかとても複雑な心境……。


「なんだこいつ……」

「すごいな、ギターを大事にするだけある」


驚きを隠せない金メッシュに対し、銀髪紳士は素直に褒めてくれる。


「お前……名前は?」

「はい?あの、帰らせてもらって」

「名前は?」


総長さんは感想は言ってくれず、カンッぺキに私の言葉を無視して、質問してくる。

ねえ、言葉のキャッチボールちゃんとしようよ!