リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「せーの……」

「ハッピーバースデー!」


誰かが小声でせーのと言った瞬間、たくさんの重なった声が響いた。

……え?どういうこと?


「ぶははっ!お前、顔面やべえよ!!」

「ものの見事に食らったなー!爆笑!!」


いや、璃輝さんと桜汰先輩。

笑ってる場合じゃありません。

この展開に頭が追い付いていかないんですけど。


「クラッカー鳴らすの後で良かったんじゃねえの、颯?」

「そうだな……今やっても状況が把握できないだろうに」


クラッカー?睦斗クラッカーって言ったかい?

拳銃の発砲音かと思ったのはクラッカーだったのね。


「いやー、俺最高だな。キャハハ!」

「避けもしなかったしな」


悠と那智!あんたら何笑ってんだ!

そこまで雷神たちが笑うほど。顔に粘りついたものは何なんだ。

そっと顔に手を伸ばすと──

むにゅっとして、フワフワした感覚。

気持ち悪がりながらも目のまわりだけ拭い取り、まぶたを開いた。

視線の先には、ぼやけて見える自分の手。

その手の中に、拭い取ったものが何か判明した。


「……クリーム?」


たぶんそうだ。

顔面にべッタベタにつけられたこれは──生クリームというもの。

これは顔面パイケーキというものではないか!


「ギャハハハ!腹が痛え!!」

「悠、ナイスコントロール!」


状況理解できた私は、どっかんどっかんと笑いが起こっていることを肌身に感じた。

しかも私に対しての笑い。

そうか、分かったぞ。

これは──


「なんてことだ……わざわざ呼び出して、みんなで私をイジメるんだあ!」


命令口調で召喚されて、入った瞬間訳も分からず顔面パイケーキだなんて。

加えてそろってバカ笑いなんて。