リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-





30分後、私は現場に到着。

相変わらず、重圧感たっぷりの雷神アジトの前の正面玄関。

重厚な黒塗りドアの前にひとりの少女が──って私なんだけど。


「よし、突入だ」


息込んでガシッと取っ手をつかみ、いつも通り涼しいアジト内に足を踏み出した

……はずなのに。


「オラッ!」


聴き覚えがある声と共に、視界いっぱいに広がる白い物体。


「……ブホッ!?」


冷たい感覚が顔面を打ちつける。

でも水じゃなくて、氷でもなくて、もっと粘り気のあるもの。

なんだこれ?

張りついて息ができないし視界も真っ暗だ!


「んんんっ!」


顔をブンブン振ったところで、何かが顔面から剥がれ落ちた。


「キャハハハ!!!」


その途端、高らかな笑い声がひとつ。

……このサルみたいな声、悠じゃないか!

何してくれんだこいつ!そして何されたんだ私!

とにかく酸素を取り入れようと口を開いたところで──


「甘っ……!?」


私の顔面を覆ってるものが口の中に入ってきた。

吐きだそうとしたところで、甘ったるい味覚に気づいた。


──パパパン!!


「ひえっ!?」


今度は大きな音。なんだ、敵襲か!?