リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

黙って、うつむいて、唇を噛みしめた。

嫌なら、そう思うなら歌手にならないと言えばいいのに。


言葉に出来ないのはどうして?

歌手になりたいと2人の前で言ったから?

事務所が潰れてしまうことに同情して憐れんでいるから?

どちらにしろ、私は迷ってる。


「……ユーリちゃん?」

「優凛さん?」


だから私はいつも通り。


「少し、考えさせてください」

「え……」

「自分から歌手になるって言っておきながらごめんなさい。今日はもう帰ります」


心配する彼らを突き放すんだ。

私の思いが伝染して、感情が爆発するのが怖いから。


「帰るって、今来たばかりだよ?」

「はい、分かってます。ごめんなさい、また連絡します」


立ちあがり、下手な作り笑いをして出入り口へ。


「ユーリちゃん!」


突然の私の行動に驚いた2人を置いて、扉の奥へ消える。

それでも、彼らは追いかけてこなかったのでひとまず安心。