リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「………分かりました」


……不思議な人。

もう、迷うことはない。

息をつき、ギターを優しく鳴らして、大きく息を吸い込んだ。

流れ出すギターの音と共に、歌声を織り成す。

これはお母さんがよく歌ってくれた歌だ。




『……優凛は歌が好き?』

『うん、大好き。歌うのも聴くのもどっちも好き!』

『そう……じゃあ優凛もいつか歌ってあげて』

『……何を?』

『……伝えられること全てを、あなたにとって一番大切な人に』



優しい笑みで語るお母さんは、幸せそうで誰よりも綺麗だった。

記憶の糸を辿りながら歌い切った私は、ゆっくりとまぶたを開いた。

そうして、無事に一通り歌い終わったのはいいんだけど。


──シーン


なぜかみんな固まっていた。

総長さんは腕組んで目つぶってるし、オウタっていうチャラ男からは笑顔が消えてる。

総長さんまさかあなた。

自分から歌えとか振って、寝ちゃったタイプですか!?

リキさんは、眉間にシワ寄せて怒ってるみたいだし、赤髪のサルは口開けたまま微動だにしない。

銀髪紳士と金メッシュについては、2人とも驚いてる感じだし。

おいおい、笑えないほどひどかったの?

なんか反応しておくれよ。