満足して開放感に浸ってると、あまり聞かない声色がわりと近くで聞こえた。


「見ーっけ。今日はお疲れ様」


近づいてくる甘い声に。

それを誰なのか脳内が分析した結果──とんでもないことが判明。

同時に冷や汗が噴き出る。

ヤバイ、これはヤバい事になった。


「馬鹿!今、話かけんじゃねえよ!」

「えー?もう話しかけちゃった」


この優しい声、この甘い口調。

雷神達の頭の上からニョキッと出たオレンジ色の頭。

あり得ないくらいの色気と、凄まじいオーラ。


「あ、あ……!」


私がどもってしまうのも仕方ない。

目の前に立つ男の存在を信じられないのだから。

レオン、ホントに来たの!?