リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

土手を上がって、河川敷をしばらく行ったところで足を止めた那智。

私をその後ろ姿を視線で追っていた。



「優凛は俺を……どう思う?」


立ち止まった那智は、体をこちらに向けて、正対する形で瞳を合わせた。


「最低な奴だと思うか?お前にとって忌むべき存在か?俺は…──」

「そんなこと思ってない」

「……」

「那智に対して、嫌悪とか、マイナスな感情持ち合わせてない」


那智の瞳が色を失っていく前に、目を見てはっきり伝えた。


「那智は優しいよ。私なんかより、ずっと強い人だから」


そう、臆病だったのは私。

那智とこうやって話そうともしなかったんだから。


「優しくて賢くて、強い心を持っててそのくせ傷つきやすい。
けど、それはみんないっしょ。強い人ほど、ホントは傷つきやすい。
だけど仲間がいるから、強くあれるの」


今度こそ、目を背けたりしない。

ありのままを受け止めて、那智と向き合おう。