リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

だんだん彼らの様子が見えてきたところで、異変に気がついた

……なんか、お2人とも草まみれなんですけど。


もしやここで取っ組み合いをしたのか!?

私が必死に追いかけてる間に、殴り合いに発展してしまったのか?


「2人とも、ケガしてない!?」


考えると余計不安になってきた。

だから2人の身を案じて声をかけたのだけど。


「はあ?」と素晴らしくそろった二重奏のツッコミをされた。

え?間違えたこと言った?


「だって……草まみれだよ2人とも!」


分かっていないようだったので指摘してあげた。


「……ああ、これな」

「まあ……聞くな」


そしたら、同じように曖昧なリアクションをする彼ら。

なにそれ、気になる言い方だなぁ。

服についたゴミを払う彼らをみたところ、解決したように見えるけど──真相はどうなったの?

言葉にしたいけどできない。

また、傷つけたくないから。


「睦斗……」


口を閉ざしたら、那智が睦斗と向き合った。


「こいつ……少し借りる」


そして何を思ったか、私に親指で指して、睦斗に告げた。



「……お前の見えるところでいいから、優凛と話させてくれ」

「……」

「頼む……」


思いつめた顔で、那智は睦斗に懇願した。

その訴えに睦斗は、ゆっくりとひたむきに、うなずいた。


「……分かった。ここで待ってる」