リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

side 優凛


「2人ともどこー?足速すぎだよ~!」


走って、走って、走りまくった。

夏は嫌いになるお日さまを恨めしく思いながら、ゆらゆら消える2人の背中を追っていた。


「見失った~!」


しかし全力疾走の睦斗と那智に、見事に置いてけぼりを食らいました。


「ふえ~ん!」


時々すれ違う通行人に白い目で見られながら、泣き真似しつつ睦斗たちを探す。


「優凛!」

「……ん?」


ネジの外れかかった私に、声がかかる。

見るとそこに、2つの影があった。


「睦斗……那智」


河川敷の下、芝生のような雑草が生えた河原に、2人は静かに私を見ていた。

……どうなったの?

ここからじゃ、表情が分からないから推測できない。

もともと人の顔を見て、心情を判断するのは苦手だけど。


「こっち、来い」


うじうじしてると、睦斗に手招きされた。

私は息をのみ込んで、気持ちをしっかり保ってそこに下りた。