リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「おい、桜汰。てめえ、ここに女連れ込むなっつったろうが」

「あ?違う違う。この子は勝手に入ってきたんだっての。
だいたい、ここに来る女の子は俺が呼んだんじゃなくて勝手に来るんだって。
はあ、モテるってほんと罪だよね」

「あぁ?」

「わーかったごめんって那智!冗談だから!」


睨みを利かせる金メッシュ。

こいつ、ガン飛ばす顔は総長より怖いっす!


「…チッ」


大きな舌打ちをして、その場から離れていったその人。

向かったのはフェンスの近くに置いてあった椅子。

ってあれ?私が歌を歌っていた反対サイドをみよく見れば椅子とか机とか、ゴミ箱などが置いてある。

屋上なのに生活感ハンパない。

しまった、この状況を見れば、確実に人が出入りしているのはわかったのに

ああもう、自分の注意力になさに呆れる……。

仕方ない、後悔しても遅いんだ。

こうなれば、一刻も早く総長さんに許してもらわないと。


「お前…いい加減もう逃げんなよ」

「ひえっ!?」


謝ろうとしたら釘を刺すような総長の目線が突き刺さる。


「…逃げんな。聞こえたか」

「うっ…はい!」



まだ高校生活始まって間もないってのに、こんな所で人生最大の危機に面しているなんて。

怖くて怖くてギターと共に震えてたその瞬間───


「じゃ…メシにするか」

「へぇ?」


強張っていた体の力が一気に抜けた。