リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「みんな待ってる。お前を待ってる。那智がいねえとダメなんだ」


変な奴、俺の周りにはこんな人間ばかりだ。

人を信じることを恐れない。

己の心に嘘をつかない。


「戻ってこい。お前を必要だ」


どっかで聞いたようなクサいセリフ。

そんな言葉に、嬉しいと思う俺はバカか?

ああ、なんかもう、どうでもよくなってきた。


「相変わらず……お人好しだよ、お前は」


重力に逆らって、起き上がる。

睦斗と視線を交え、思いを口にした。


「バカみてえに正直で、呆れるくらいまっすぐで。そんなお前に背中向けられるはずがねえんだ」

「……」

「お前といると、悩むことすらアホらしく思える」


単純で複雑な世界を、綺麗事で治めることのできるこいつ。

俺はそんな睦斗が羨ましかっただけなのかもしれねえ。

一番近くて、信じられることのできる人間。

3年つるんできて、こうしてやっと自分の気持ちを理解できるなんて、俺もバカだな。