リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「無理ですね」

「え?」

「あなた方のお気持ちはお察しします。だけど、無茶です。
デビューしたところで普通のJKに毛が生えたくらいにしかならないと思います」

「……?」

「ぶはっ……!」


不可解な眼を私に向けるお2人方。

お父さんは噴き出しちゃったし…。

あれ?今の発言ネジ外れてた??


「えっと…だから、私なんかより才能のある人を発掘してください。それじゃ帰ります」


なんか話が通じなくなりそうだったので、椅子から腰を上げた。「お父さん帰ろう」

「ん、そうしようか」


お父さんも立ち上がり進行方向を変えた。


「あ、待ってください──」


黒川さんが慌てて呼びとめようとしたけれど。


「待って」


その前に、正面に座っていた郡司レオンに手首を掴まれた。

指が絡みついて、意識していないのに体温が上昇した。

え……あれ?なんだこのトキメキは。


「これ、俺の連絡先ね」


差し出されたものに視線を落とすと、黒川さんの名刺に自分の連絡先を書いた物を渡してきた。


「俺は絶対諦めないから。また歌いに来て。
俺もできる限りあの場所に足を運ぶ。
君の歌を、聴きに行くから」

「へ……?」

「ずっと待ってる、君のこと」


言葉尻に目を細めた彼は、しっかりと私の手に連絡先を握らせた。

その仕草は、その表情は、今まで見たどんな異性よりも美しいと思ってしまって──

“ごめんなさい睦斗”と心の内で睦斗に謝っておいた。

これが芸能人か……恐るべし!