リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「コラ、レオン!お前、ただでさえでかくて目立つんだからサングラス外すな!!」

「はーいはい」


黒川さんが叱ると、郡司レオンはまたカッコよくサングラスをかけた。

……この人、本当に郡司レオンなの?

もしかしたら、ただのそっくりさんだったりして。

はたまた双子の兄弟とか。


「2か月前くらいかな。君が歌ってたの見てたんだ」

「え……」


2か月前、それは初めてストリートライブを行った時期ではないか。

その時に郡司レオンが私を見ていたってこと?

そんな偶然あるの?


「それで、君のことスカウトしようって決めた」

「スカウト……?」

「詳しい話がしたいから、ついて来てもらってもいい?あそこのカフェで話そうよ」



懐疑を抱き続ける私とお父さんだったけど、結局駅前のカフェでお話を聞くことに。


「それで……なぜうちの娘をスカウトしようと?」


4人がけのテーブルに、彼らと向かい合わせで座っているとお父さんが質問する。

すると黒川さんは座り直し、私の目をまっすぐ見た


「……単刀直入に申し上げると、優凛さんに私たちの事務所を救っていただきたい」


救う?ああ、だからメサイアって言ってたんだ。

救世主って意味だもんね。


「救う……この子が?」

「はい、彼女の歌声を聴いて確信しました。
彼女の歌なら万人を魅了することができる。
この世界に通用する、と」

「……」

「今すぐにとは言いません。芸能界は華やかに見えて過酷な世界です。
それでも……あなたなら、私たちを救ってくれる。
そう信じて今日あなたに声をかけました」