リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「はい、突然で誠に恐縮ですが、今からお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」


なんだこの怪しい人たちは、とお父さんと顔を見合せていると、後ろで大人しくしてたイケメンが私たちの間に割って入った。


「そんなだから毎回スカウト失敗するんだよ、信司」

「は……?」


190㎝近いスタイル抜群の長身。

髪色はブラウン──よりオレンジに近くて、お洒落にパーマをかけてた。

鼻は高くて唇は薄くてセクシーで、サングラスをかけた状態でもイケメンオーラが漂ってる。


「ねえ、そういうの長ったらしくて面倒くさいからやめよう。用件だけ言えば伝わるからさ」


優しい甘めな声も、これまた魅力的。


「レオン、お前は黙ってろ!」


見とれかけているとスーツの人が彼に一喝。


「……レオン?」


その名前、知ってるぞ?

だって、今さっき見つめてた広告のモデルさんのことだもん。郡司(ぐんじ)レオン。

“群れを司るライオン”という異名を持つ、現在19歳の若きトップモデル。

雑誌はもちろん、テレビでも見かける超一流モデル兼一流俳優。

ちなみに彼は海外でも人気が高いのだとか。


「もしかして、俺のこと分かる?」

「え……」


すると彼は滑らかな動きでサングラスに手をかけ、それをカッコよく外した。

そのとたん、私はメデューサに目が合ってしまったかのように硬直してしまった。


「初めまして、ユーリちゃん」


色素の薄いグレーの瞳に全てを見透かされそうで──この人、広告のモデルと同じ顔してる。

いや、そんなまさか。

うん……激似。

いやいや、あり得ないって。

おや……そっくりそのまま。

何度も彼の背後の広告と見比べてみた結果行きついた先は──


「郡司、レオン……?」


目の前でにこやかに笑う彼が、テレビの中で活躍する、モデルのレオンだってこと。


「せーかいっ」


私が目をパチクリさせて呟くと、彼は最大級の笑顔を披露した。