……こうなったのは全部私のせい。

私がもし、睦斗に出会ってなかったら、那智と仲のいいままだったのに。

那智も、きっと私でなくココを好きになっていたはずなのに。

私がいなければ、こんなことにならなかった。


「……あの、すみません」


駅前の大きな広告板に貼られた、綺麗な男のモデルさんの写真を眺めながら、鬱々と考えていた。


「ちょっとお話いい?」


イケメンだな、あのモデルさん。

よくテレビとか雑誌で見かける有名人だ。


「聞こえてる?君だよ」


名前は確か──


「優凛?」

「ん?何?」」


お父さんがポンポンと私の肩を叩いたことで、ぼーっとしていた意識を取り戻した。

その時、目の前に立ちはだかる大きな影に気がついたのだ。


「え……?」

「やっと気づいた。えっと……ユーリちゃんだっけ?」

「……どなたですか?」


上を見上げたけど直射日光によって顔を確認することはできない。

だけど、なんだこのただならぬのオーラは!

……ただ者じゃない。

私の第六感がそう言っていた。