リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「……は?」

「那智お前、何言ってんだよ!」


当然、幹部たちは顔をしかめて那智を問い詰める。

構わず那智は続けた。


「……時間が経てば、こんな気持ち薄らいでいくものと思ってた。けど、違えんだ」


那智は一向に気にせず、言葉を投げかけてくる。

こんな那智を見るのは初めてだった。


「いくら忘れようとしても、考え直しても行きつくのは、優凛が好きなんだってことだけ」


那智がここまでありのままを言葉にするところは、見たことがない。

それほどまで、こいつは優凛を──


「だから、しばらくは諦めねえ。俺は優凛を好きでいる」

「てめえ!」


そう思うと、いてもたっても居られなかった。

俺は腰を上げ、左手で那智の胸ぐらを掴んだ。


「自分の言ってること分かってんのか!?」


やり場のない右腕は、自然と那智の顔を殴ろうとしていた。


「睦斗!」

「那智!!」


慌てた幹部たちの焦燥をうかがえる声が響く。