それから数日後。

3日は過ぎたと思うが──そのくらい、記憶が曖昧だってことだ。

あの日以来、俺は優凛にも那智にも会っていない。

いや、優凛とは直接会ってないだけで電話はするが、問題なのは那智だ。

音信不通で、もちろんアジトに姿を見せるなんてこともない。

一度だけ電話をしようと試みたが出てくれるはずはない。

それ以上は踏み込めなかった。


あいつがどんな想いでああ言ったのか、それがどんなに苦渋の決断だったか、それを思うと俺が苦しくなる。

優凛と那智、どちらも大事だからゆえに俺は悩んだ。

無論、誰にも相談なんてできない。