「紫外線よ、紫外線。これは日焼け間違いなしだね、うん」

「元々白いから関係ねえだろ」

「え?美白?ありがとう」

「……」


……前言撤回。

やっぱり、生まれつきこんな性格なのかもしれない。


「ちょっと、何で無言になるの!?そんなに変なこと言った?」

「いいから、早く帰るぞ」


あえて優凛の問いには答えず、俺はシートに置いてあったヘルメットのひとつを優凛に渡した。


「むぅ、美白のどこが悪いんだい……」


なんてブツブツ言いながら、渋々それを受け取る優凛。

……優凛がこんな性格で助かった。

被ったのを確認したところで、バイクのスタンドを倒し、シートに腰を落とした。

キーを差し込みエンジンを掛けると、後ろから腰の辺り巻き付く細い腕。

今日はいつもより少し、その腕に力が籠っていた。

かけがえのないぬくもりを感じながら、俺はゆっくりと発進させた。