リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「はあ、熱で寝込んでるってのに、お前にツッコむの疲れる」

「……ごめん」

「謝んなアホ」

「むっ……」


那智の言い方が鼻について、顔を上げた先に、揺れる瞳があった。


「……謝んじゃねえ。それ以外、何も言うな」


言うな。その一言がとても重たくて、逆に私の意思を強くした。

これ以上お互いが傷つかない為に、那智に伝えなきゃならない。


「……だったら、私がここに来た意味はないよ」

「は?」

「こうなるって分かってたから睦斗と私を離したんでしょ?
私は、あなたに言わなきゃいけないことがあるから。
ねえ、那智……」


だから、彼の目を見てしかと言葉にしたはずなのに──


「言うな……!」

「んっ……!?」


突然、手のひらで口を塞がれた。

発熱しているせいか、顔を覆うその手が熱い。


「やめろ……俺から、離れていくな……」


震えてる。

声も、その体も、瞳も、今にも崩れ落ちそうに小刻みに震えてる。


「頼むから……」

「那智……」


私は、ゆるく頬に触れてる手を優しく握った。