リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

澄香(すみか)、来てたのか…」


びっくりしてまじまじと見つめていると、睦斗が普段通りに声を発した。

……スミカ、だと?

それがこのビューティフルなお姉さんの名前か!?


「そーなのよ。那智がぶっ倒れたって聞いてね」

「……倒れた?」


ところが、浮かれていた心はその事実により落ち着きを取り戻す。

那智が、倒れたって?


「あ、違う違う。普通に熱が出ただけ。しかもただの風邪だから、心配無用よ」


身体を固くさせていると、スミカさんはさばさば言ってのけた。

良かった。命に関わるほどじゃないみたい。


「で、あなたは……」


すると、スミカさんは睦斗の後ろに立つ私を上から下まで見てきた。

その目は見定めるようで、少し怖い。


「余計な心配しなくていい……俺のだ」


ところが、睦斗がそう断言した。

って、俺のだってこっぱずかしいことをよく言えるな!


「なるほど!でかした睦斗っ!」


その瞬間、彼女はぱあっと笑顔になった。

な、なんて美しい笑顔……!


「睦斗も隅に置けないな~!じゃ、私は風邪薬買って来るから、それまで那智のこと見てやって!」


警戒を解いた彼女はしゅびっと敬礼し、涼やかに玄関から去って行った。