リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

その先に、一軒のアパートがあった。

古いか新しいかで言えば、古い建物に分類されるんだろうけど、こざっぱりした感じだった。

ここが那智のおうち、か。


「那智はどこの部屋?」

「2階の隅だ」

「那智いるかな?」

「単車があるからいるだろ」


そう言われて見ると、アパートの壁際に止めてある、黄色いバイクを発見した。

うん、バイクがあるってことは、きっと在宅してるよね?

階段を上り、突き当たりにある部屋で足を止めた。

睦斗は迷うことなくインターホンを押すと。


「はーい!」


扉の向こうから、女の人の声が聞こえた。

え?女の人?

なんで那智の家から、若い女性の声がしたの?

睦斗、部屋間違えたんじゃない!?と思ったけど陸斗は動揺していない。

じゃあ、この声の正体はいったい誰なんだ!?


「はいはーい、お待たせしました……って睦斗!?」


カチャ、と扉の開く音とともに、登場したのは──


「睦斗じゃない!久しぶり~!」


ゆるく巻いてあるロングの茶髪と、大きな黒い瞳。

長い睫毛と、左目の下に泣きボクロ。

華奢(きゃしゃ)な体に似合うワンピースと、綺麗な細い足。


「那智!睦斗来てくれたよー」


申し分ない絶世の美女が、私たちを出迎えてくれた。

ど、どなたですか!この眩しい天使は!!