リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「いや、もともと冷静沈着だし人付き合いが苦手って知ってるけど、このごろみんなに対してああだからどうしたのかと思ってな」

「……そうなんだ」

「あいつがいてこその雷神なんだ。あいつがいないと成り立たない」


川岸に視線を投げた睦斗は、ふと口を開いた。


「……那智がいないと、つまらねえ」


キラキラ反射する川辺に視線を落として、睦斗は心の内を話してくれた。


「雷神の中で一番長い付き合いだ。
あいつがいないと、どうもパッとしない」


歩みを進めるごとに睦斗は胸の内を明かしていく。

……そっか。那智は睦斗にとって、かけがえのない存在なんだね。

私にとってのココみたいに、一生友達でありたいと思う人なのかも。


「……で、今日はそのためにここに来た」

「え?」

「今から那智の家に行くから」

「はっ!?」


って、聞いてないよそんな話!

思わず一度立ち止まった。


「なんで?」

「なんでもいいだろ」

「私、必要?」

「……俺の気まぐれで連れてきたんだから、いいだろうが」

「だったら他の人でもいいんじゃない?」


わけがわからず、前を歩く睦斗の後ろ頭に問いかけた。


「睦斗だってさ、家にひとりでいる時に、友達が彼女連れて来たら、“何しに来たんだこいつ”って思わない?」

「ああっ、分かったよ言えばいいんだろ!」


すると、睦斗は声を荒らげてこちらに勢いよく振り返った。