「おい誰だ!勝手に屋上で歌なんか歌いやがって!」

「ヒィィ!」


目をぱちくりさせるのも束の間、総長の後ろから怒鳴られた。

ツーブロで目がギョロっとしてる男……ってこの人教室に現れたヤンキーじゃん!

確か名前はリキ、だっけな。



「んん…?見慣れない女だな」

「うをっ!?」


その後ろから、総長やリキさんより背の高い巨人が現れた。

180㎝後半はあるイケメン。でも私が女だとわかった瞬間ヘラヘラ笑いだして、明らかにチャラそう。


「女?なんで女がここに……って、てめえ!」


最後にちっこいのが飛び出してくる。


「てめえ、この前のブス!」

「ハア!?」


ブスだと、ふざけんな!

怒りを胸に睨んだら、赤い髪が目に入った。

なんだこいつか。入学式の時銀髪紳士の隣にいた、うるさいサルね。

臆する心配なし。


「ふう、なんだサルか…」

「はあぁ!?今なんつったあ!!?」


聞こえたのかよ!?地獄耳だな!


「お前…なんでここにいる…」


そんなことより私……大ピンチでは?