「飛んでません!バカでもないもん!」

「単純は認めんだ?ははっ……」


ははっ、じゃねえよ那智!

折角褒められて嬉しかったのに、余計なこと言っちゃ台無しだ。


「うー……もういい!30分過ぎたから帰る。
お腹空いたし、暗くなってきたから帰る!」


1人ツボに入ってる那智を置いて、退散しようと立ち上がった。

結局ナイトウォークの賞品は見つけられなかったし、お腹は空くし。


「……なんでお前なんだろうな」

「ん……?」


その時不意に、那智が声を発した。

振り向くと、立ち上がった那智の姿がそこにあった。


「俺もバカだ……」


ぽつり、ぽつりと独り言のように呟く那智は、さっきと様子が違ってた。


「なあ、優凛」


そして彼は、感情の起伏なく口を開いた。






「お前が好きだ」