リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「そこに明確な答えはないと思う。きっと時間を重ねることによって分かることだから。
それに大丈夫だよ。那智を必要とする人は、ちゃんといるから」


一心に那智を見つめて伝えた

すると那智は顔を上げ、その瞳に確かな光を灯した。

優しくて、あたたかい瞳だった。


「雷神のみんなもそうだし、特に睦斗は、那智を大事にしてる。それは私の目から見てもわかるよ。
ココだって、出会った時から今でもずっと那智を一番に想ってるし……」


そうだよ。那智を想う人はたくさんいるじゃん。


「一応付け加えると、私もいるから。独りじゃないよ?」


正直いうとね、那智は私より友達が多い気がする。

孤独を感じたとしても、それを助けてくれる友達が。


「はっ……相変わらずだな」

「ん?」


暗がりの中、那智が白い歯を見せた。

本当に突然だったから、一瞬思考が停止した。

そしてその完璧な笑顔に魅了されてる私がいた。


「変わってるよ、お前」

「む……」

「優しすぎんだよ、バカ正直に」


なんだって?イチコロスマイルに油断して黙って聞いてりゃ。

褒めてんのか(けな)してんのかどっちかにしろ!

那智め……いつもの調子に戻ったな!