リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

颯先輩の言葉を受けて、さっきの男の人や、颯先輩を見て騒ぎ立てる旅館の人を思い浮かべた。

さっき話しかけてきた男性は、きっと颯先輩の親戚に当たる人なんだろうな。

跡継ぎだからって勝手に期待を寄せてるのかも。


それから颯先輩に色目を使う女の人たち。

御曹司ってだけで彼を見て、それが彼自信にとって、どれだけ苦痛か分かってないんだ。


……もしかしたら、私も同じことしたのかな?

今日、初めて先輩のことを聞いて、すごいすごいって何も知らないくせにはしゃいで。

こんなとき、人の心の変化に敏感じゃない私がホントに嫌になる。



「……分かんなくていいんだよ、そんなの。
本当の自分を認めてくれる人間は、たった一握りでいいんだ。俺はそう思う」


しかし陸斗はその澄んだ瞳を輝かせ、颯先輩に笑いかける。


「少なくとも颯ーの周りには、雷神には、お前を真正面から見てくれるヤツらがいるだろ?」

「……」

「俺たちがついてる。颯ーは独りなんかじゃねえよ」


笑って言い切った睦斗。

驚いて目を見開くする颯先輩。

けれど次第に頬をゆるませ、彼は表情を砕いた。


「……うちの総長には、敵わねえな」