リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「受付どーこだ」


広い旅館内を、あっちへふらふら、こっちへふらふら。

受付には仲居さんがいるから、そこに行って夕飯の時間を聞こうと思っているんだけど。


「きゃー!話しちゃった、どうしよう!」

「もう、かっこよすぎ〜!」


すると、廊下の奥を着物姿の女性が横切った。

不思議に思って奥へ進むと開けた場所があった。

ソファーにテーブルにテレビが置いてある、どうやらロビーらしき所。

その中央で睦斗と颯先輩がいた。


「睦…──」

「俺の……どこがいいんだろうな」


ちょうどよかった、と思って2人に話しかけようとしたけどやめた。

颯先輩の表情に違和感を覚えたから。

笑っているのに、苦しいって言ってる。

助けてほしいのに、隠してる。

私の心を乱すような、愁いに満ちた顔だった。