リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

俺には、2つ年上の優秀な姉がいる。

何もかも俺より秀でた姉は親の期待値が高かった。

反面、親は俺に期待なんてしなかった。

何を頑張っても『もっとあの子を見習いなさい』の一言。


“ああ、なんだ。俺はこの家に必要ないんだ。”


そう思うと馬鹿らしくなった。

俺は受験を控えた中3のあの夜、家を飛び出した。

そんな時、偶然出会ったのが睦斗で、以来つるむようになって俺は自然と雷神に加入した。


……あれからもう3年が経とうとしている。

俺はまだ、あの家族とのわだかまりが解けないままだ。

だからなのか、俺は自分を繕うようになった。その“仮面”を見事見破り、引っペがそうとするとは。

あの子も隅に置けないなぁ。

かと言って俺から手を出したりはしないけど。

優凛ちゃんは睦斗があっての優凛ちゃんなんだからな。

まあ、末永く幸せでいてほしいもんだ。



なんて、この時の俺は彼女に関して楽観的だった。

自分は仮面の下を晒しておきながら、彼女の仮面には気がつけなかったんだ。

俺は後に、彼女のことをちっとも知らなかったんだと後悔することになる。

それが発覚するのはもっとずっと後の話……。