リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

side 桜汰


俺はどうやら、この子を過小評価していたらしい。

ただの歌の上手な素直な子、じゃなかったんだ。

俺は驚いてしばらく彼女の瞳を見つめていた。


「えっと……つまり、もっと周りを頼ってほしいです!
って先輩相手に何言ってんだ私……それじゃココを手伝ってきます」


すると、彼女は俺が気を悪くしたのか思ったのか、そそくさと離れた。


「……ココ、そっち終わったー?」

「もうちょっとで終わるよ」

「私手が空いたからそっち手伝うよ」


後片付けを行う彼女たちを見て、もう終わりそうだから、と俺は少し調理場を離れて明るい日差しのもとに出た。

そこから遠目に優凛ちゃんを眺めていたら、自然と笑みがこぼれた。


「いや~まいったな。そりゃ睦斗も惚れるよ」


呟いて、彼女と俺を照らし合わせた。

誰にでも実直な優凛ちゃん、誰にでも嘘つきな俺。

俺はいつからこうなったのか、思い返せばあの家族にたどり着く。