リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「それにさ……」

「はい?」

「料理するより、女の子たちと一緒にいる方が楽しいし」


心配し始めた矢先、ふざけだした桜汰先輩。


「あ、でも若い女の子限定の料理教室とかいいかもな!俺、モテそうだし」

「……」

「どう、優凛ちゃん。俺の生徒になる?」


……まったく、この人は。


「無理して笑わないでください、桜汰先輩」

「え?」

「知ってますよ、私。先輩が人をよく見てて、ポーカーフェースで、でも仲間には優しくてフォロー上手で、それでいて自分にも嘘つきなところ」

「優凛、ちゃん?」


どうしてそんな無理して笑顔を保とうとするんだろう。

きっと、彼は何かに劣等感を感じながら生きてきたんだろう。

何かと自分を比べて、そのせいで自分の限界を決めつけてしまっているんだ。


「みんなちゃんと見てますから。桜汰先輩は桜汰先輩です!」


高校に入って、雷神と出会って、自分らしくをモットーにしてきた私にとって桜汰先輩はその逆だった。

自分を(つくろ)って、みんなが思う理想通りの生き方をしている。

それが私にとってはどうも納得いかなかった。