「……お昼どうしよ」


その後、龍生がずっと話しかけてきた。

その間にクラスでグループができていて、結果さみしいぼっちになってしまった。

お昼は仕方ないから屋上にでも行こうかな。

いいよね~、そよ風吹かれる春空のもと、ロマンティックにランチタイム──おっと、自分の世界に浸っちゃうとこだったよ。


「はあ、階段キツい……」


右手にお弁当、そしてギターを背負って屋上へ。

別にギターはクラスに置いていてもよかったけど、盗られたら嫌だから持ってきた。


「このドアの先には未知なる世界が~…なんつってえ」


屋上へつながるドアノブに手をかけ、少し重いドアに足を踏ん張りながら、前へと押しやる。

開け放した先。

真っ青な空と、春のそよ風に乗って桜の花びらが宙を舞っていた。

その花びらが舞う先に青空が見えて、なんだか心が洗われる気がした。


「んーー~!開放感っ……!」


青すぎる空に全面桜が咲いてる。絶景とはまさにこのこと!


「よっしゃ元気出た、ご飯食べよう!」


そうして元気いっぱいになった私はひとりでご飯を食べ始めた。