……ん?待てよ。

雷神メンバー全員で遊ぶってことはつまり那智もいる。


「ねえ、じゃあココも連れてっていい!?」


そうだよ!ココを連れていけば、今度こそ那智とくっつくかもしれない。

私ってば、ナイスアイディア。


「え〜?女もうひとり連れていくのかよ」

「お?ココってあの可愛い子ちゃん??」


悠が反論じみたことを言う一方で、桜汰先輩が耳をぴくぴく動かす。


「そう!桜南高校美人四天王の心菜ちゃんですよ!
お願い睦斗、女の子ひとりは心細いから遊ぶならあの子も一緒がいい!」

「はあ?男をぶっ飛ばすお前が何言ってんだか」

「は?」

「いいんじゃね睦斗?華があったほうが楽しいって。連れて行こう!」


悠はまだ反論するが、桜汰先輩も全面的に、ココを連れて行く事に同意の姿勢を見せてくれた。

ただココが美人だからってのもあるかもしれないけど。


「颯一、いいか?」

「ああ、人数が増えようと構わない」


最終決断を下したのは颯先輩。

それじゃ、ココを連れて行っていいんだな!?


「やったー、楽しみー!やっと夏休みの予定が埋まる~!」


飛び上がって乱舞すると──


「予定なんもなかったのかよ」

「つくづく寂しい奴だな……」


悠と那智の呆れた声が聞こえて来たけど、私の耳は完全に右から左に流していた。


「ありがと睦斗~!ひゃっほーい!」


頭を巡るのはただひとつ。

素敵な夏休みの予感がする!