「さて、本題に入るが……この時期と言えばもう分かるだろ?」


考えてると、睦斗が話題らしきものに触れ始めた。


「……今年も行くのか?」


すると、隣の那智が睦斗に問う。

どこに行くんだ?


「当たり前だろ。もう許可は下りてる。……だろ?颯一」

「ああ、独りで帰ってもつまらないからな」


睦斗は不意に颯先輩に話を振ると、彼は腕を組んだ状態で頷いた──ってことはつまり?


「颯先輩の家に行くの?」

「……俺の家ではないが、まあそんなところだ」

「ほう……」

「で、今回はそこに優凛も連れて行こうと思う」

「え!?」

「遊べるところもあるし、いい避暑地になるからどうかと思って」


連れていってくれるの?

それはつまり、幹部とみんなと同じく私も大事な存在ってこと?

なんだか特別な感じがして、心が踊る。


「ホントに行っていいの!?」

「ああ、一緒に行こう」

「……ホントにホント??」

「ん?嘘ついてどうすんだよ」


夏休みに遠出して睦斗たちと遊ぶなんて!

考えただけで、心が浮き立つ話じゃないか!