リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「睦斗だ!」

「やっと見つけた~!」



学校とおさらばして、那智の後をついて行くと空き地に睦斗がいた。

毎日ちゃんと会ってるのに、物足りない気持ちになるのは私だけ?

上機嫌で小走りに睦斗に近づくと──


「ん……」


睦斗は微笑んで腕を広げた。

迷わず飛び込んで行って、お互いを確かめるように抱きしめた。

回された腕の重みが嬉しくて、夏の薄い制服越しに伝わる体温に、気持ちが安らぐ。

…ってあれ?


「どうした?急に甘えて…」


甘えるって私、何してる?

なんで普通に那智の前で抱きついてんの?


「ふおおっ!?違う、違うぜ!さっきセミとにらめっこして恐怖に陥った後遺症が…!」


パッと睦斗の腕の中から脱出し、必死に弁明を始めた。

何やってんだ私、自分の行動が意味不明すぎる。


「何言ってんだよ、てめえ」


そんな私に、冷静に突っ込む声がひとつ。

そやつはやはり、おサルの悠だった。