リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「なにを笑っとんじゃコラ!」

「なんで、セミがつくんだよ…」

「そりゃこっちが聞きたいわ!てか助けてよ!」

「ははっ……!」


ぐうう、あれこれ言い返したいが、イチコロスマイルを前に手が出せん。

てか、那智ってこんなに笑うんだね。

自然体に飾り気なく。

だからかな?笑われても嫌な気がしない。


「ん……?」


ちょっとの間、笑ってる那智を見ていると、那智がしらけ顔に戻った。

手を制服のズボンに突っ込み、取り出したのは自分のスマホ。

那智は表情を変えず操作し、耳にそれを当てた。


「睦斗、どうした?」


開口一番、那智が出した単語は“睦斗”。


「ああ、ここにいる。……連れて行くか?」


睦斗と言えば、今一番会いたい人ではないか!


「分かった、すぐ行く…」

「……ねえ、今の睦斗?睦斗??」


約10秒で通話を切った那智に、ウキウキしながら問いかけた。


「ああ、今からアジトに行くらしい。優凛も行くか?」

「おおっ、行きます行きます!ヒマを持て余してるんで!!」

「……寂しい奴だな」

「那智に言われたくない!」