リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「ヒィィ!ウソヤダ、なんで!?とって取って!」


大あわてで駆けずり回り、那智に助けを乞い願った。


「なんじゃこいつは!ヘルプミー!!」


レディらしからぬ大声で喚き散らし、気が動転してパニックに陥る寸前。


──ジジッ

 
「うひょい!?」


耳元で羽根の擦れる音がして、セミは大空に羽ばたいて行った。

肝を冷やした私は、膝から崩れ落ち、熱い日差しの下、四つん這いの体勢となった。

……セミさんよ。短い命の一瞬を私の背中で過ごそうとするんじゃ、ない。

おったまげたではないか。


「フフッ……」

「む……!?」


こらえていた笑いが解き放たれたような声がして、顔を上げたら那智が口元を押さえてほくそ笑んでた。

こいつめ、いくら笑顔がステキでも、人の不幸を笑うでない!