リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-

「なに?」


心臓がバクバク言ってる。

なんで、名前を呼ばれただけで緊張してるの?

そんなことより、どうしたの那智?






「……背中に、セミがついてんぞ」




………は?……セミ?蝉?

なんだ、セミって。

那智のつまらん冗談のせいで、胸キュンがチリも残らずぶっ飛んだんですけど。


「……なーに言ってんの那智。ありえなさすぎて笑えないジョークだねー」

「じゃあ、確認してみろよ」


ほとほと呆れて脱力したところ、那智は真面目な顔して忠告。

疑心を抱きつつ、背中に蝉?んなアホな、と右に首を傾けたところ──


「い゛っ……!?」


背中に視線を飛ばすまでもなく、茶色い奴が肩辺りでウゾウゾ動いてた。

これって、本物のミンミンゼミじゃないか!

セミさんとお友達になったつもりはないぞ!?