リトルソング-最強総長は歌姫を独占したい-





「あっつー……」


気がつけば、もう7月。

カラッと晴れた青空が梅雨の終わりを告げ、蝉の合唱が夏の始まりを合図する。


「よくこんな中いられるね、那智」


暑すぎてサボりたいなんて思ってた学校が終わり、ただいま時刻は15時。

ココが用事があるらしい今日はすこぶるヒマなので、屋上にお邪魔してた。


「うるせえ、お前が話しかけて来たら余計熱くなる」

「なんじゃそりゃ」


話題も何も無い雑談しながら、2人きりの屋上でボーッと過ごしてた。


「のわあっ!あっつい!!」


けれど、この私が暑さに耐えてじっと出来るわけがなくて、ついにパンクした。


「……ん?」

「ありえないよこの暑さ!7月でこれかよコノヤロー!」

「おい、お前……」

「くっそー、睦斗どこだ睦斗!放課後ならいるかと思ったらいないし。いつになったら迎えに来るんだぁ!」

「なあ……」

「もう、なんで会いたい時に会えないの……」


頭が沸騰して情緒不安定になって、ちょっぴりやるせない心境になりかけたその時。



「……優凛」




耳を疑った。

私の名を、冴え渡る声で那智が呼んだから。


「えっ……!?」


聞き間違いじゃないかと、声のする方を見たところ、やっぱり那智がいた。


「優凛、お前……」


そして間違いなく、私を呼んだ。

今まで「お前」とかで、名字も呼んでもらえなかった私が、だよ?

なにこれ。なに、この胸の高鳴りは……。